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2016.02.12 Friday

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    男65歳高齢者

    2012.10.26 Friday

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     今年9月の誕生月を迎えてから年金定期便が来るわ、保険センターから高齢者予防接種のお知らせが来るわで、極め付けは、介護アンケート調査だった。「杖が必要ですか?トイレは一人で行けますか?立ちくらみがありますか?」2枚の用紙にびっしり質問項目があり頭にきて無視しょうとしたら、妻にちゃんと書いたほうがいいわよと言われ、渋々記入して投函した。そして送られてきたのが介護保険被保険者証である。
     私はいまだ現役で仕事をしているので、年金ももらっていないし、まさか介護の世話になるとは思いもしていなかったが、誕生月が来てからとたんに高齢者扱いされている。毎月の給料明細から厚生年金保険料・健康保険料・介護保険料合わせて10万円近く引かれているが、病院で世話になるのは年に一回程度、歯医者で歯石を取ってもらうくらいだ。
     介護保険料もこの10月より会社負担が半額あったのが、全額個人負担となり2割ほど引き上げられた。まだ仕事を続けねばならない責任がある私にとっては、このまま仕事を続けていたら、何時までたっても年金ももらえず公費負担だけが重くのしかかる。
     朝は会社に営業社員より早く入り、社員にはある年休も取らず、月に一・二度の日曜当番もこなしている。しっかり仕事をしている私に、「社長は休まないのですか?」と言われるくらいなのに、行政は65歳の誕生日が来たら高齢者扱いをしてくる。
     2011年の日本人の平均寿命は、男性79.44歳となり、前年比で0.11歳縮んだことを厚生労働省が公表した簡易生命表で知ったが、平均寿命が縮んだのは、2万人近い死者が発生した東日本大震災という特殊要因が原因で、高齢化という趨勢そのものは不変といわれている。
    日本人の男性寿命80歳として、私もあと15年の命と思うとなんとも残り少なく淋しくなってくる。毎晩酒は旨いし煙草は吸うし、夜はインターネットで囲碁や麻雀を楽しんでいる。また様々な社会活動に熱心に取り組んでいる。そんな私を高齢者扱いするのは許せない。
     しかし、ここ最近、やはり歳を感じることもある。お昼ご飯を食べた後、来客もなく手元の冊子などを読んでいるとついウトウトしてくる。会社でうたた寝をすることは社員の士気にかかわるので、そのようなときは何か用事をこしらえて眠気覚ましに外出するようにしている。
     また、明け方に小便で目が覚め、前よりもだいぶ早起きになった。朝刊が来るのを待っていることもある。そんな訳で会社に一番乗りをしているのであるが、私の同級生のうち、勤め人は、ほとんど60歳定年で、皆ぶらぶらしている。彼らは犬の散歩をしたり、テレビの番をしていると自嘲気味に云う。自営業の同級生は皆元気に仕事をしているが、それでも午前中しか営業しない散髪屋や歯医者もいる。
     この前、同友会西京支部のOB会があり、約20年ぶりに逢う懐かしい顔が揃った。呼びかけ人が社長を後進に譲って会長となったので、同友会の籍も無くなり淋しくなってOB会がもたれたのだ。前期高齢者に入る年令の面々であった。
     現役で今も仕事や同友会活動も頑張っているのは参加者のうち半分くらいであったが、その当時の支部長は今は料亭を息子に任せて、田舎で悠悠自適の野菜づくりを楽しんでおられる。事業継承を完了された方も何人かあったが、中には70歳になったのにバブル時代の設備投資で、今だに会社の借り入れが大きくあり、次の世代にバトンを渡せないとおっしゃる方もあった。
     OB会がお開きとなって、帰路、一人先斗町を歩きながら思った。歳は前期高齢者の仲間に強制的に入れられたが、企業経営における精神年齢はいまだ若い志を今も脈々と持ち続けている。会社も度重なる設備投資による借入返済の重荷を、継承者である長男が果たして背負いきれるのか一抹の不安もあるが、あと暫らくは私も頑張って道筋をつけてからバトンを渡したい。

    人見 明